IoTを支える「近距離通信」と「長距離通信」

IoTを支える「近距離通信」と「長距離通信」

 この記事では各ネットワークの特徴について解説していきます。

IoT

私たちの生活から切り離せなくなっているスマートフォンにはLTE、Wi-Fi、Bluetoothなどのネットワークが備わっていますよね。この3つを通信速度の速い順に並べることができるでしょうか。答えは速い順から、Wi-Fi、LTE、Bluetoothです。(実際にはWi-Fiの通信回線の種類(ADSLや光回線)や混雑状況に応じて通信速度は変動します。)

スマートフォンに利用されているこれらのネットワーク以外にも、実は様々なネットワークが存在します。それらをうまく使い分けることで、IoTで接続されるデバイスは効率よく機能するのです。この記事では各ネットワークの特徴について解説していきます。

IoTのネットワークは「近距離通信」と「長距離通信」の2種類

近距離通信

IoTに使用されるネットワークは大きく「近距離通信」と「長距離通信」の2種類に分けることができます。スマホにも使われるWi-FiやBluetoothや近距離通信です。一方LTEやLPWAと呼ばれるネットワークは長距離通信です。

近距離通信の特徴

それでは近距離通信のWi-FiとBluetoothの特徴を見ていきましょう。

Wi-Fi

Wi-Fiは最大通信距離100m、最大通信速度600Mbpsの無線規格です。通信速度が速いため、動画や音声など容量の大きいデータを高速で通信できるメリットがあります。一方で消費電力が大きく、頻繁に充電が必要であることや、通信コストが高いことがデメリットとなります。

Bluetooth

Bluetoothは最大通信距離100m、最大通信速度1Mbpsの無線規格です。(Bluetooth4.2だと通信速度が11Mbpsで、Bluetooth5.0では最大通信距離が400mまで延び、通信速度は2Mbpsとなります。)

スマートフォンとイヤホンやパソコンとキーボードをBluetoothでつないで使用するケースも多く、私たちの生活にもなじみのある規格です。接続が容易で、小型化しやすく、Wi-Fiよりも省電力というメリットがある一方で、通信速度がWi-Fiよりも低速であるデメリットがあります。

長距離通信の特徴

長距離通信

長距離通信であるLPWAのうち、代表的なSigfoxとWi-SUNについて解説します。

Sigfox

Sigfoxは最大通信距離50km、最大通信速度100bpsの無線規格です。それだけの長距離通信ができるにもかかわらず安価で導入しやすいメリットがあります。また、消費電力が少なく乾電池で数年稼働させることができるのも魅力の一つです。

一方で上がりの通信速度が100bpsと低速であるため、速度が求められる通信には向かないデメリットがあります。ちなみに、1bpsは0.000001MbpsですのでSigfoxがいかに低速かがお分かりになるでしょう。

Wi-SUN

Wi-SUNは、最大通信距離1km、最大通信速度200kbpsの日本で生まれた無線規格です。近距離通信とLPWAのちょうど間くらいの特性を持っています。

この特性から、自宅の電気使用状況の見える化や検針業務の自動化を可能にする、スマートメーターなどに活用されています。

まとめ

IoTを支える近距離通信と長距離通信の主要規格について解説しました。それぞれの規格には一長一短あるため、うまく使い分けることでデータの送受信を効率よく行うことができます。このように無線通信がIoTを支えているのです。

Kaz

略歴
熊本出身。カリフォルニアの大学卒のフリーランスライター 興味ある分野は「自分自身のデータ化」。遺伝子検査実施済み。 遺伝子レベルで「新規性探求」と「行動持続性」が高い。加えて夜型。 現在の目標は「一人でIoT」。 最新技術を通してデータ収集・分析し、自分自身をより深く知ることで スマートな生き方を模索中。愛用製品はJINS MEME ES。 記事執筆依頼をお待ちしています。

キーワード: 近距離通信,長距離通信